公開日 2023.11.27
教科書を自炊(電子化)してiPadを活用したデジタル勉強を行い、見事CBT試験・医師国家試験に合格された、ScanSnap プレミアムアンバサダーのだすまんちゃん(以下、だすまんさん)。
そのだすまんさんが、PFU横浜本社で開催された「教科書自炊講座」で、本や教科書の自炊方法と、デジタル勉強について紹介してくださいました!
今回はその内容をレポートします。「自炊」について詳しく知りたい方、必見です!
デジタル勉強法で見事医師国家資格に合格し、医師になったあともデジタル勉強を続けているだすまんさん。まずは「デジタル勉強」と、そのために必要な「自炊」について紹介してくださいました。
「まず「デジタル勉強法」とは、iPadやスマートフォンを利用して、ノートや教科書をデータとして管理しながら勉強する学習方法をいいます。
メリットは大きく3つ。
・移動中・外出先など、場所を選ばず勉強できる ・教科書やノートが複数あっても、手軽に持ち運びできる ・部屋がスッキリ片付く
このデジタル勉強を行うための2本柱が、「デジタルノート作成」と「本・教科書の自炊」になります。
デジタルノート作成はGoodnotesなどのアプリを活用すれば手軽に始められるのですが、それと比べて導入のハードルが高いのが「本・教科書の自炊」です。
この「自炊」とは、本や教科書をスキャンして、デジタルデータとして取り込むことを言います。断裁が必要なため取り掛かりのハードルは高いのですが、思い切ってやってみると荷物が減り、情報活用が格段に進むことを実感してもらえるはずです」
たしかに、本や教科書を解体する勇気はなかなか出ない…。
でも今回は自炊セミナー、思い切って1冊試してみましょう!ということで、イベントでご紹介いただいた自炊の流れと、参加者のみなさんの様子をまるっとお伝えします。
本の自炊は、「断裁」→「スキャン」→「PDF管理」の3ステップ。まずは、必要な道具を用意しましょう。
・断裁したい本 ・カッターボード ・カッター ・はさみ(あると便利) ・30cm物差し(あると便利) ・断裁機(あると便利) ・スキャナー ・タブレット端末orスマートフォン
まずは、本をスキャンしやすいように断裁していきます。
表紙を、表紙と裏表紙の2枚に加工します。そでや背表紙はスキャンしないので、捨ててしまってOK。そでに著者情報などが印刷されていてそれらもデータ化したい場合は、捨てずに残しておき、全てのページのスキャンを終えた後、最後にスキャンするという方法もあります 。
表紙は、折り目が含まれないようにギリギリのラインで切りましょう。折り目が残っていると、スムーズにスキャンできず傾きや歪みが生じてしまうことがあります。
本を分解しやすいように、見開き線でしっかりと折り返します。何度か繰り返しているうちに紙を留めている糊が見えてくることがあります。
このあと本をだいたい50枚ずつに分解していくのですが、分解しやすいように折り返しも50枚ごとに行っておくとよいです。
折り返し位置にカッターの刃を入れて本を分解していきます。完全に切れるまで、何度か繰り返し行いましょう。
カッターボードは、机の端から少しはみ出すようにして使うのがポイントです。カッターを振り切ってしまったときに、刃が机に当たるのを防げます。
手順2・手順3を繰り返し、紙束を作っていきます。
1束あたりの枚数は50枚ほどがおすすめですが、断裁方法や断裁機の性能に応じてベストな枚数を選択してください。
本を分解できたら、紙をまとめている部分(糊)を断裁していきます。断裁方法は以下の2通りです。
●カッターを使う
イベントでは、表紙のみカッターで断裁する方も。
カッターで断裁する場合は、背表紙から1cm程度ほどのところに物差しをあてて、刃を繰り返し走らせます。文字が印刷されている部分まで切り落としてしまわないよう注意してください。
●断裁機を使う
左:断裁機での断裁に挑戦!右:プラスのコンパクト断裁機は、原稿をセットすると赤いカットラインが表示される。
断裁機を使う場合は、断裁機のカットラインを目印に紙束をセットし、切り落とします。背表紙を大きく切りすぎると文字が切れ、反対に小さく切ると糊が残ってしまうので、丁度良い部分でカットしましょう。
本の中には表紙や、絵が描かれていて文字が表示されていないページもありますが、そのまま断裁するのではなく、文字が表示されているページを表にしながら断裁をするのがおすすめです。
コンパクト断裁機 PK-213
イベントでは、カール事務器のディスクカッターも登場。だすまんさんも「使いやすい!」と絶賛されていました!
ディスクカッター DC-210N/DC-230N
糊の部分をカットできたら、もとの本と同じようにページ番号順に重ねます。ここでページ番号が入れ代わってしまうとデータ化したあとの整理が大変になるので、十分注意してくださいね。
どんどん断裁が進み、ゴミ箱は紙片でいっぱいに!
本の断裁が終わったら、いよいよスキャンです!
今回のイベントで使用したのは、ScanSnap iX1600。イベント参加者のみなさんにはスキャナーとタブレット端末(またはスマートフォン)をScanSnapと直接Wi-Fi接続いただき、スキャンしてもらいました。
ScanSnap iX1600 56,100円(税込)
超音波センサーによる原稿の重なり検出機能があり、ネットワークHDD(NAS)との連携も可能なモデル。スキャンスピードもScanSnapシリーズの中で最も速く、断裁を伴う自炊に一番オススメの機種です。
ScanSnap iX1600をもっと詳しく
手順は以下のとおりです。
接続方法は、マニュアルをご確認ください。
※アクセスポイント経由で接続する方法もあります。
①スキャン設定の「その他」→「読み取り」をタップ
②フィード(ADF)→「継続スキャン」を選択
「通常スキャン」では、セットした原稿のスキャンが終わると自動的にスキャン終了と判断されます。「継続スキャン」にしておくことで、セットした原稿がなくなったときに原稿を継ぎ足してスキャンを続けるか、スキャンを終了するかが選べるようになります。
③読み取り設定の画面に戻り、「白紙削除」をオフにする
白紙ページも残すことで、見開きで閲覧するときのページのずれを防げます。
④スキャン設定に戻り、カラーモードを「自動」から「カラー」に変更
「カラー」にしておくと、カラーと白黒のページが存在しても同じ色味でデータ化できます。紙自体にうっすら色がついている場合や、日焼け等で黄変してしまった本をスキャンするとき、自動判別では判別のされ方によって紙の色味に差が出てしまいます。
あとはスキャナーに原稿をセットして「Scan」ボタンを押すだけ!原稿は、繋がっているページがないか確認してからセットしましょう。
左:原稿は、上端が下に、最初のページ(表紙)が一番下にくるようにセット。右:1度にセットする原稿は、紙詰まり防止のため50枚以下に。サイドガイドにある白いラインが目安。
重送検知などでスキャンが中断された場合は、本体右上にあるレバーを手前に引いてADFカバーを開き、取り除いた原稿をもう一度セットしてスキャンを再開します。
左:原稿の重なりを検知した場合に表示されるエラー。右:エラー検出時も本体右上にあるレバーを引けば原稿を簡単に取り除ける。
以上がスキャンの手順です。
「Scan」ボタンを押した瞬間にどんどん原稿を吸い込んでいくScanSnap iX1600。イベント会場では、ところどころから「速っ!」と驚きの声が…!
参加者の中には5冊ほど、計1,000ページ以上自炊していた方もいらっしゃいました!
イベントでは、断裁せずに自炊したい場合におすすめのスキャナー「ScanSnap SV600」のスキャン実演もありました。
ScanSnap SV600 67,100円(税込)
ScanSnap SV600はオーバーヘッド型のスキャナーで、スキャナー上部の読み取り部から光をあてて原稿を読み取ります。
本を開いた時の中央部の盛り上がりは自動で補正。ページめくりを自動で検知する「ページめくり検出機能」や、一定間隔でスキャンができる「タイマースキャン機能」もあり、スムーズな自炊をサポートします。
限定本・洋書・古文書など、断裁したくない本の自炊におすすめです。
ScanSnap SV600をもっと詳しく
さて、スキャンが完了しましたが、そのあとPDFをどう管理・活用するか気になりますよね。
だすまんさんは、以下3つのアプリを中心に利用しているそうです。
※価格は2023年11月時点
無料で利用できるリーダーアプリです。見開きページで閲覧可能で、まるで本当に本を読んでいるかのようにページを送ることができます。
Google Play
App Store
リーダーアプリです。こちらも見開きページで閲覧でき、下のスライドバーを操作することで大幅なページ移動も瞬時に行えます。フォルダ分けも可能で、だすまんさん曰く「教科書や参考書の管理にオススメ」とのこと。
大幅なページ移動もスライドバーで瞬時に。
表紙は片ページで、そのほかのページは見開きページで表示できるように「Setting」の「PAGE LAYOUT」で「Double Pages with Front Cover」を選択しておきましょう。
ノートアプリですが、PDFの取り込みも可能です。直感的に操作できるので、「デジタルノートの作成はもちろん、書き込みを伴うPDFの管理にもオススメ」とのこと。
書いた文字列を移動したり、スクリーンショットの一部をトリミングして貼り付けたり…。アナログ勉強での「これができたらいいのに…!」が叶う、痒い所に手が届くアプリです。
iPadの王道手書きノートアプリ!GoodNotesの基本的な使い方
SideBooksとGoodnotesは無料で利用できるので、ぜひインストールして試してみてくださいね。
さて、ひととおり自炊方法を学び終わりイベントも終盤。最後は質問コーナーです。
参加者の方からたくさんの質問をいただきましたが、その中から5つをピックアップしご紹介します。
だすまんさん:そうですね、私は最初からScanSnapです。「教科書 自炊」で検索したらみなさんScanSnapを使っていたので、私もそうしました。
ほかのメーカーの機械を購入した友人がいますが、重送を検知してくれなかったり、画質にも問題があったりして、結局ScanSnapを買い直していました。ほかにも何人かそういう方がいましたね。
ですので、イベントだから推しているというわけではなく(笑)、ScanSnapがオススメです。
だすまんさん:自分にあった勉強法でやるのが一番だと思います。
アナログ勉強に慣れている方はデジタル勉強に抵抗があるかもしれませんが、デジタル勉強ならではのメリットもあります。
たとえば図書館で勉強するにしても、タブレット端末からどの教科書にもアクセスできるので参照頻度が上がります。また、単語帳アプリや問題集作成アプリなどもあって、工夫しながら勉強できます。
私自身は医師として働いてみて、過去に読んだ・作成した資料にすぐアクセスできるのがとても便利だと感じました。長い目で見てもデジタル勉強はメリットが大きいと思っています。
だすまんさん:気持ち、すごくわかります(笑)。私は画面の数を増やして、目の物理的な移動を増やすようにしていました。
iPadをもう1台増やしたり、スマホでも教材を開いたり、時にはアナログノートを1冊だけ用意したりして、目の筋肉を使うようにしていました。
だすまんさん:GoodReaderやGoodnotesはフォルダ分けができるので、そこで管理しています。データはiPad本体に保存していますが、クラウドストレージを活用している方もいますよ。
だすまんさん:「Goodnotes」が直感的に操作できてオススメです。ほかのアプリでも書き込みはできますが、マルや四角などの記号を綺麗に描くのが難しかったり、完了ボタンを押す必要があったり…。少しのことですが手が止まるので、Goodnotesがオススメです。
質問コーナーのあとは、参加してくださったみなさんで集合写真をパシャリ!
イベントには、ScanSnapプレミアムアンバサダーの峰宗太郎先生、青山順子さん、はるさんも参加!一緒に自炊したり、参加者のみなさんをサポートしたりしてくださいました。
自炊方法を学ぶのはもちろん、だすまんさんと直接会話できたり、参加者同士の交流もあったり…とっても有意義な4時間となりました。
講師のだすまんさん、そして参加者のみなさん、本当にありがとうございました!
読者のみなさんも、ぜひこの記事を参考に自炊に挑戦してみてくださいね。
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ScanSnap SV600
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