公開日 2023.3.9
マインドマップとは、考えていることやアイデアを書きだして可視化することで、頭の中を整理できる手法です。ビジネスに限らずプライベートでも便利に活用できるため、使ってみたいと考えている人は多いのではないでしょうか。
この記事では無料プランのあるマインドマップツールを紹介するとともに、ツールを選ぶときのポイントや、活用方法についても解説します。発想力や記憶力を高めるマインドマップを、ぜひ活用してください。
マインドマップとは、イギリスの教育コンサルタントであるトニー・ブザン氏によって考案された、頭の中の思考やアイデアを図や表を使って可視化する手法のことです。テーマから発想を広げていくため、アイデア出しなどの場面でよく使われます。
マインドマップを描くときは、中心のテーマからアイデアやイメージをツリー状に線(ブランチ)でつなげます。脳に刺激を与え思考を促すために、色を使って表現することも大切です。
マインドマップツールには、さまざまなタイプがあります。たくさんあるツールの中から、どのような観点で選べばよいのか迷ってしまう人も多いでしょう。
ここからは、自身の目的に合ったツールを選ぶためのポイントを3つ紹介します。
マインドマップツールには、「クラウド型」と「インストール型」があり、タブレットやスマートフォンで使えるアプリを提供しているツールもあります。それぞれの特徴やメリットをチェックし、用途に合わせて選びましょう。
クラウド型は、Webブラウザ上で動作するタイプのツールです。パソコンにインストールする必要がなく、インターネットが使える場所ならどこでも作業できます。手軽に導入しやすく、共同編集が容易な点もメリットです。
インストール型は、パソコンにインストールして利用するタイプで、インターネット環境がない場所でも使用できます。
作成したマップはローカル環境で保管できるので、情報漏洩のリスクが少なく安心です。
アプリが提供されていると、会社のパソコンで作成途中だったマップを外出先でも引き続き作成できます。
外出先でも作業したい方は、検討中のツールにアプリ版があるか、デバイスのOSに対応しているかを確認しておくとよいでしょう。
利用シーンに応じて、必要な機能を搭載したツールを選ぶことも大切です。とくに以下のような機能があると、ビジネスの場面で役立ちます。
複数人で新規プロジェクトのアイデア出しなどを行う場合は、共同編集機能があるツールが便利です。共同編集機能には、ファイルの受け渡しが必要なものと、URLなどを共有すれば変更箇所がリアルタイムで反映される、同時編集が可能なものがあります。
とくに同時編集機能は、テレワーク中でもチームでのアイデア出しや思考整理がしやすく便利です。更新されたマップをリアルタイムで確認できるので、誰かのアイデアを見て別のアイデアが生まれ、そのアイデアを見てまた別の誰かがアイデアを出す、というように思考も連鎖しやすくなります。
作成したマップをPDF・PNG・HTML・PowerPointなどのファイルにエクスポートできるツールもあります。どのファイル形式にエクスポートできるかはツール・プランによって異なるため、選定時に確認しておきましょう。
エクスポートしたマインドマップは、資料への添付や、ツールをインストールしていないメンバーとの共有に役立ちますよ。
プレゼンテーション機能があると、マインドマップをもとにスライドショーを作成したり、アニメーションを付けてマップを表示させたりできます。
マインドマップは、あるキーワードを中心に要素がまとめて視覚化されるため、インパクトがあり直感的に伝わりやすい資料を作成できます。
ツールを無料プランで利用する場合、作成可能なマップの数や、1つのマップあたりのトピック数に制限がある場合が多いです。
とくにトピック数が100個までなどに制限されていると、せっかくアイデアを思いついても入力できないということになりかねません。
マップを作り始めてから後悔しないために、事前にチェックしておきましょう。
ここからは、無料プランのあるマインドマップツールを5つご紹介します。
十分な数のトピックが入力可能なツールを中心にピックアップしていますので、ぜひ参考にしてください。
無料プランのあるおすすめマインドマップツール
*1:Freeプランの場合、チーム内の全メンバーが全マップ閲覧可能。マップを非公開にしたい場合、チームメンバーを自分だけにしておく。
*2:MindMup Cloudで保管する場合のみ。
*3:MindMup Cloudで保管する場合のみ。Googleドライブを利用する場合はGoogleドライブ側でアクセス権限の設定可能。
Xmindは、マルチデバイス対応のマインドマップツールです。試用版でもテンプレートやステッカーが豊富で、視認性に優れたマインドマップを作成できます。作成可能なマインドマップの数に制限がないのも、嬉しいポイントです。
さらに有料版にすると、画像やファイルの添付、方程式の挿入、ピッチモード(プレゼンテーション機能)などが利用できるようになります。
ピッチモード使用イメージ
ただし、インストール型のツールのため同時編集機能はありません。
「まずはマインドマップを個人で作成・活用したい」という方におすすめです。
公式サイトをみる
Miroは、チームでの共同作業におすすめのクラウド型マインドマップツールです。Freeプランでも、チャット機能の活用、プレゼンテーションの作成、テンプレートを活用したTo-Doリストや議事メモの作成など、チームでのマインドマップ活用に便利な機能を、メンバー数に制限なく利用できます。
さらに有料版にすると、ビデオチャットや投票機能、タイマーなどが利用でき、まるでコミュニケーションツールのように活用できます。チームでの共同作業に便利な機能が充実しているため、「アイデア出しからプロジェクト管理まで、ツール1つでとことんやりたい!」という方におすすめです。
MindMeisterは、オンラインで使える、インストール不要のマインドマップツールです。無料のベーシックプランでもトピックごとにコメントやメモを残せるので、「チームでちょっとしたコミュニケーションを取ったり、経緯を残したりしながらマインドマップを作成したい」という方におすすめです。
作成したマインドマップは、アウトラインで表示もできます。マップが大きくなった場合でも、アウトラインで表示すれば項目を折り畳んで全体像を確認できるので便利ですよ。
ベーシックプランの場合、作成できるマインドマップの数は3つまでと制限がありますが、有料版にすれば無制限で利用できます。
Coggleはクラウド型のマインドマップツールです。ほかのツールだと料金がかかることの多い同時編集機能や、画像の挿入機能が無料版から使えます。チャット履歴や更新履歴も一時的に保持されるので、「同時編集機能を活用してチームでどんどんマインドマップを作成したい」という方におすすめです。
無料版では、プライベートダイアログ(非公開のマインドマップ)は3つまでしか作成できません。3つ以上作成したい場合は、有料版の利用を検討しましょう。有料版では、高画質画像のアップロードや、履歴を保持したチャット機能の利用も可能になります。
MindMupは、Googleドライブと連携可能なマインドマップツールです。無料版でも、画像やファイルへの添付、PDFやPowerPointなどへのエクスポートができ、何よりクラウド型のツールでは制限されがちなマップの数に制限がないのが魅力のツールです。
画面表記は英語ですが、マインドマップ作成に必要な主要機能はツールバーにアイコン展開されているので、直感的に操作しやすいですよ。
作成したマインドマップは、専用のストレージ「MindMup Cloud」でも保存できます。無料版の場合、マップを6か月間保持できますが、公開情報となってしまうため注意が必要です。非公開情報として管理したい方は、有料版を使用しましょう。
マインドマップは、同時編集機能やコメント機能などが必要でなければ、手書きでも十分な効果が得られます。
アイデアを共有したり資料に添付したいときは、紙に書いたマインドマップをデータ化しておきましょう。
たとえば、スキャナー「ScanSnap iX1600」なら、スキャンしたデータをGoogleドライブやOneDriveなどのクラウドサービスに直接転送できます。A3サイズの原稿や付箋が貼られた原稿も、オプション品のA3キャリアシートを使ってデータ化できますよ。
クラウド会計サービスとも連携可能なので、手書きのマインドマップからレシート・領収書の管理まで、スキャナー1台で書類整理を効率化できます。
ScanSnap iX160056,100円(税込)
マインドマップは、プライベートでもビジネスでも、様々なシーンで活用できます。
ここからは、その活用方法をご紹介します。
商品開発や新規事業のアイデア出しの際は、マインドマップをブレインストーミングと組み合わせて活用してみましょう。思いついたキーワードをどんどん書き出し、関連するキーワード同士をつなげることで、そこから発想が広がり新たなアイデアをひらめきやすくなります。
ひらめいたアイデアは、忘れないうちに書き留めておくことが大切です。持ち歩きに便利なタブレット端末を利用すれば、外出先であってもすぐにツールを開いてメモできますよ。
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項目の関係性をツリーで整理できるマインドマップは、問題解決にも有効です。テーマ(問題)を中心に状況や背景など、思い浮かんだものをどんどん書き出して関係性を整理していきましょう。ツールを活用すればトピックの移動や削除も簡単です。まずは躊躇なく項目を上げていきましょう。
そうしてマインドマップを作成していくうちに、根本原因や解決策など、頭で考えているだけでは気付かなかったことが見つかるかもしれません。テーマに沿って検討・考慮すべき項目を洗い出せる点も、マインドマップの利点といえます。
マインドマップは、マルチタスクの管理にも便利です。複数業務が並行で進むと全体像がどうしても把握しづらくなりますが、マインドマップを活用すれば、案件(メインのトピック)ごとのツリーでタスクを細分化・可視化しつつ、全体像も把握できます。
マインドマップを活用したマルチタスク管理
マインドマップはプレゼンテーションにも活用可能です。必要な情報を1枚のマップで視覚的にわかりやすく伝えられます。
長い文章やスピーチだけではわかりにくいことも、マインドマップで表現することで要点への集中力が高まり、聞き手の理解を促すことが可能です。
プレゼンテーション機能があるツールを使えば、スライドショーも手軽に作成できます。
マインドマップは学習にも役立ちます。新しく学んだことを整理し、関連づけることで、書いた内容が記憶に残りやすくなるのです。
学習のためのマインドマップを作る際は、キーワードだけをモノトーンで描くのではなく、色やイラスト・記号などを積極的に取り入れましょう。文字とイラストを組み合わせたり、関連するキーワードを線でつないだりすることで、学んだことが「単語」ではなく「イメージのつながり」として記憶に定着しやすくなります。
資格取得やスキルアップのために勉強している場合も、ノートに書き留めた情報をマインドマップで整理すれば、効率よく学習できます。楽しんで書くことで集中力が上がり、学習への意欲向上も期待できます。
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無料プランが用意されているおすすめのマインドマップツールと、マインドマップの活用法を紹介しました。マインドマップは、思考の整理や新しいアイデアの発想に役立ちます。また視覚的にわかりやすく要点を伝えられるので、ビジネスシーンでのプレゼンテーションにも適しています。
業務に必要な機能が搭載されたツールを使うと便利ですが、はじめてのマインドマップは手書きで手軽に作成してみてもよいでしょう。
個人でもチームでも活用できるマインドマップを、ぜひ自分に合った方法で作成してみてください。
※マインドマップ®およびMind Map® は英国Buzan Organisation Ltd.の登録商標です。
※Google Drive、GoogleドライブはGoogle LLCの商標です。
※OneDriveは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。
ScanSnap iX1600
毎分40枚・80面の両面高速読み取りを実現し、簡単操作のタッチパネルを搭載。Wi-Fiの5GHzに対応し、原稿サイズ、色や両面・片面を自動的に判別。 驚くほど簡単、スピーディーに電子化します。
※著作権の対象となっている新聞、雑誌、書籍等の著作物は、個人的または家庭内、その他これらに準ずる限られた範囲内で使用することを目的とする場合を除き、権利者に無断でスキャンすることは法律で禁じられています。スキャンして取り込んだデータはユーザーの責任において、著作権法上認められる範囲内でご使用ください。
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