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世界のVIPが指名する執事に学ぶ
デジタル活用術
世界のVIPが指名する執事に学ぶデジタル活用術

世界のVIPが指名する執事に学ぶデジタル活用術

大富豪の公私にわたる幅広いサポートを行う執事。VIPの食卓で優雅にワインをつぐようなイメージがありますが、実際には公私にわたるサポートを幅広く行う陰の立役者。あらゆる要望にもきめ細かく、迅速に対応するためにデジタルツールを使いこなし、高い信頼を得ています。資料や手書きノートはスキャンしてDropboxへ、名刺はEight、領収書はMFクラウド会計に保存しながら、それらをどのように活用しているのか。日本バトラー&コンシェルジュ株式会社代表 新井直之さんにうかがってきました。


スキャナー製品情報|スキャナーならScanSnap

サービスメニューのない執事の仕事


新井直之さんは、執事のサービスを提供する日本で唯一の会社、日本バトラー&コンシェルジュ株式会社を2008年1月に設立。現在は日本をはじめ、世界の億万長者と呼ばれるVIPの公私に関わるサポートを行っています。その業務は、送迎や食事・旅行の手配、自宅の管理、イベントの企画・運営、スケジュール管理、アイデア出し、資産運用など、多岐にわたるのが特徴。サービスメニューはなく、それぞれの人にあわせた最適なサービスを、24時間365日提供しています。


現在は、7名の執事とコンシェルジュやメイド、ドライバー、シェフなど、周辺業務を行う人20名で、世界の二十数ファミリーに関わっています。


現場で仕事をしながら情報共有するには
デジタルが欠かせない


執事の勤務スタイルは、お客様に密着したサービスを行うため直行直帰が基本となります。ここで重要となるのが、事務作業の負担を軽減しスタッフ間の情報の共有をいかにスムーズに行うかということ。勤怠はスマホを使って管理するなど、同社ではあらゆるシーンでデジタル活用を推進しています。


「仕事はそれぞれの現場で行いますので、情報やナレッジなど、共有したい情報は誰もがいつでも、どこででも見られるようにしておく必要があります。事務所に集まって一緒に仕事をすることが少ない中で、情報を共有するにはデジタル化しかなかったのです」


執事は業務で紙の資料を受け取ることが多く、これらをデジタル化する際に欠かせないのがスキャナーです。最初はフタを開けて1枚1枚スキャンするフラットベッドタイプのスキャナーを使っていたそうですが、もっと効率的にデジタル化したいと考え、「ScanSnap」にたどり着きます。「複数枚読み込んでも引っかからないことと、読み込みスピードの速さが決め手になりました」


紙の資料をスキャン

紙の書類はスキャンして保存。場所も取らず、検索も可能になる。


「執事が手にするのは、お客様から提供される書類の他に調査の過程で手にした資料などもあり、膨大な量になります。その数は、多いときには月に500~600枚。それが後日必要になることもあるため、すべての情報を保存するのが基本です。こうなると紙のまま保管しておくのは大変です。その意味でもデジタル化は必須。OCR機能で検索可能な状態にしておけば、瞬時に必要な情報を取り出せます」


スキャンしたデータは自分のパソコンにストックするほか、Dropboxでバックアップをとります。他のメンバーも必要となる情報は積極的に共有。これにより、担当者が不在の時でもスピーディーな対応をすることも可能となります。


必要なときに見返せるよう、手書きノートもスキャンしてストック


新井さんは資料以外に、手書きノートもすべてスキャンしてストックしています。この手書きノートのデジタル管理については、著書『世界のVIPが指名する 執事の手帳・ノート術』(文響社)でも紹介されています。スキャナーで読み込んだ手書きメモをデジタル化してストックしておくことで、必要なときに確認できるようにしているのです。


世界のVIPが指名する 執事の手帳・ノート術

著書『世界のVIPが指名する 執事の手帳・ノート術』文響社


「執事はメモをとることが多いのですが、数年後にそのメモが役立つこともあります。以前、お客様が建築した邸宅の不具合が6年後に発覚したことがありました。建築業者との間で認識のズレがあったことが原因だったのですが、打ち合わせのときに私がとっていたメモがあったことでトラブルが解決しました」


記録はとても重要なことですが、それを必要なときに活用できる状態にしておかなければ意味がありません。特定の情報を探すために膨大な紙の資料やノートをひっくり返すのは骨の折れる作業で時間も無駄になり、作業効率が下がります。新井さんによれば、「スキャナーは数万円で購入可能。自己啓発セミナーに1回行くなら、スキャナーを買った方が効率は上がる」とのこと。


打ち合わせのメモは手書き

相手が話しやすいようにと記録はあえて手書きにし、スキャンしてデータとして保存



名刺はEightで管理する


他にデジタル化することで大きなメリットを感じているものに名刺アプリ「Eight」があります。


Eightの正確な情報登録が検索を楽にする


名刺のデジタル管理は、スマホを使い出したときから活用を始めたそうです。ところが、当時の名刺管理アプリは誤認識が多発し、検索しても出てこないことが多く使用を断念。2年ほど前に正確性を重視し、オペレータが入力してくれるEightに切り替えています。


また、実際に使い出すと、Eightの機能が新井さんの執事業務をサポートしてくれることに気づいたと言います。そのひとつが、名刺を更新したら通知してくれる機能。それを見ることでお祝いの花を贈ったり、電報を打ったりすることもあるそうです。人とのつながりが大きな影響を持つ仕事だからこそ、Eightを活用する意味があると言うことです。


ビジネス版SNS機能が人脈を広げることにつながる

新井さんは、Eightのもつビジネス版SNS機能は人脈を広めることにも役立つと話します。


「お客様の要望で専門家やアドバイザーを探すことがあります。そういったときに、Eightを活用することがあるのです。伝手がない状態で正面切って関係を持とうとすると断られてしまいます。そんなとき、Eightを使って挨拶し、目的を伝えるメッセージを送ることで名刺交換ができてしまうのです。これは革新的な機能だと思います」


著名な専門家はホームページなどで露出していないことも多く、ファーストコンタクトの手段を見つけるのは容易ではありません。そのつながりのきっかけにEightを活用できるのは、非常に便利。Eightでは名刺を見せることで身分を明らかにできる点も、コンタクトをスムーズに受け入れてもらえることに貢献していると言えるでしょう。


Eightを使いこなしている新井さんは、その魅力を次のように考えています。


「Eightは、人を大切にするというところが素晴らしいと思っています。普通は、ビジネスを通じて出会った人であっても忘れてしまうことが多いもの。でも、Eightに登録し、名刺情報が更新されれば、継続的に意識し続けます。それが3年後、5年後に再度連絡することにつながるのです。今、会っている人を大切にするツールがEightであり、それを大きい人脈につなげていくこともできるのです」


確実な登録をするには、できるだけ早い作業がカギ

多くのメリットを感じるEight。ところが、名刺の登録もれがあるとメリットも半減してしまいます。新井さんはどのようにして確実に登録しているのでしょうか?


「名刺を受け取ったら、できるだけ移動中、例えばタクシーの中などで登録してしまいます。なぜなら、家に帰るとやらないからです。これは机の前に座って一生懸命やる作業ではありませんので、早くやってしまう方がいいのです。さすがに電車の中はまずいですが……」


スマホで名刺を撮影

交換した名刺はできるだけ早く登録。スマホカメラを使えば、移動中でも登録できる。


また、パーティーなどで一度に多くの名刺を手にしたときは、ビジネスカフェに設置してある「どこでもスキャン」を活用することもあるとのこと。「スマホ撮影では、どうしても影が入ってしまいます。人様からいただいた名刺ですので、ScanSnapを使ってできるだけキレイなデータとして残しておく方がいいと思っています」


ScanSnapで名刺をスキャン

名刺が多いときはScanSnapを使えばスピーディーな登録が可能に。



まとめ


取材の中では、会計管理は「MFクラウド会計」、経費精算は「MFクラウド経費」でデジタル化していることが話題となり、「ScanSnap iX100」を使ったレシートのスキャンを体験していただきました。これまではスキャンするためにA4用紙にレシートを貼り付けており、「手間がかかっていた」とのこと。iX100では、そのままスキャンできる点やスピード感に驚いていました。


ScanSnapでレシートをスキャン

これまではレシートをスキャンするためにA4用紙に貼っていたが、iX100を使えばそのままでOK


情報のデジタル化だけでなく、その活用方法について伺った今回の取材。新井さんにとってデジタル化は「何かあったときに取り出すことができる、もう一つの脳みそを持っておくようなもの」とのことでした。情報は保持することに意味があるのではなく、それを有効に使ってはじめて意味をなすものです。みなさんも、仕事の幅を広げるデジタル化に挑戦してみてはいかがでしょうか?


ScanSnap iX100

 

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バッテリー・Wi-Fiを搭載しながら、わずか400gのコンパクトボディ。場所を選ばず原稿を電子化でき、手軽に情報の保管や共有が可能。


 

ScanSnap iX1500

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※ 記事中の「ScanSnap iX500」の後継モデルです。