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S500 事例 5

[下記リンク]  導入のきっかけ |  利用環境と利用法 |  導入結果とメリット 

授業や学校事務に関わる紙文書を手軽に電子化することで、校務の省力化を図るADF(オートドキュメントフィーダ)方式のコンパクト両面カラースキャナ『ScanSnap』が学校現場で好評だ。そこで今回、ITを活用した学校経営の第一人者である小牧市立光ケ丘中学校の玉置 崇校長に、情報整理術の観点からみた『ScanSnap』の活用を中心に、業務の生産性や効率を上げるノウハウについて、話を聞いた。

毎日更新するホームページを核に、「学校の見える化」を目指す
~ 別のカテゴリーの製品という感覚ですね ~

【お名前】 玉置 崇 様(校長)

ITを活用した学校経営の第一人者。「毎日更新する」がモットーの学校ホームページを通じて、地域・保護者と積極的にコミュニケーションを図り、学校を核にした地域コミュニティーの形成に取り組む。 最近では、メディア教育開発センター・堀田龍也助教授らとの共著「できる教師のデジタル仕事術」(時事通信出版局)が好評。


【学校名】 愛知県小牧市立光ケ丘中学校

「光ヶ丘中学校2006」
光ヶ丘中学校の教育が分かる冊子を毎年4月に発行(A4体裁・68頁)。
その他に追加版を年2回ほど発行している。

http://www.komaki-aic.ed.jp/hikarigaoka-j/


導入のきっかけ

企業の仕事術に学び、新しい教育を拓く

今行われている教育改革は、高度情報化社会に対応した新しい時代に求められる能力を養うことを目的としている。 すなわち、これから必要なのは知識を得るだけでなく、情報を取捨選択し、それを分析・加工して、新しい価値やコミュニケーションを創出する力を身につけることだ。 しかし、その分教師に求められるスキルが高くなることから、従来と同じ仕事の進め方をしていたのでは負担が大きくなる。
一方、学校本体も、開かれた学校づくりに向けて「説明責任」や「自己点検・評価」が問われる時代になり、管理職においては企業と同じような経営感覚や目標意識を持つことが要求されるようになった。

いずれにしても、社会がそうであるように、学校での仕事術はIT化が前提になる。 これまで政府は、国家プロジェクト「e-Japan重点計画」で教育の情報化を先導してきたが、今後はIT活用能力に劣る教師は処遇に反映することを計画しているほどだ。

そこで現在、こうした社会ニーズに対応した新しい学校経営や新しい教育を実現する解決策として、教師もビジネスパーソンから、仕事術や組織論を見習おうとする動きが出始めている。 今回取材した玉置校長は、まさにそんな一人。 さまざまな問題をはらんでいる中学校という場で、学校ホームページを核に保護者や地域の方々と交流を深め、ITを活用した学校改革に取り組む第一人者である。

利用環境と利用法

大切なのは、学校の考えをきちんと伝えること

愛知県小牧市は、名古屋市の北方約15km、濃尾平野のほぼ中心に位置する。同市のシンボルである小牧山は、かつて天下統一を目指す織田信長がここに築城したことでも知られる。 玉置校長が勤める光ヶ丘中学校は、そんな同市を大きく変貌させた「桃花台ニュータウン」にあり、校訓である「われらともに 現在(いま)を生きる 未来をみつめ」を指針とし、知・徳・体のバランスのとれた生徒の育成を目指している。

こうした中、同校では、できるだけ学校の様子を分かってもらうために、原則的に毎日ホームページを更新している。
これは、「学校の今」がよく分かる、「先生方の取り組み」がよく分かる、「子どもたちの活動」がよく分かる、「地域や保護者の活動」がよく分かる、ための情報公開がメイン。 つまり、学校の教育活動に対する考えを、できるだけきちんと保護者や地域の方々に伝えることを一番の目的としているのだ。玉置校長は、これを「学校の見える化」と呼んでいる。
しかし、ひと口に「毎日更新する」というが、これを実際に行うのは大変なこと。 ほとんどの学校がホームページを公開しているが、毎日更新している学校は数えるほどだろう。ちなみに同校では、TOPの記事、学級日誌、校内連絡板などを毎日更新している。

また、こうした取り組みのひとつとして実施しているのが、校長自身の個人ホームページと「仕事日記」ブログだ。
保護者にしてみれば、「今度の校長はどんな人?」が気になるもの。 これらを通じて校長の「人となり」を日々伝えることで、保護者からはこちらの方が学校の様子がよく分かると好評だ。 事実、年々愛読者も増えており、保護者から感想のメールをもらうこともあるという。

情報の保存は、袋ファイルとスキャンスナップで

そんな玉置校長は、自らの仕事術において、どんなIT機器を使いこなしているのだろうか。 「何もIT先進校だからといって、特別な機材は置いてないですよ」と語るが、たしかに訪れた校長室は、応接セットと執務デスクがひとつある、拍子抜けするほど普通の部屋だった。 玉置校長によれば、ふだん使っているIT機器は、ノートパソコンと電子辞書。それにプリンタとプレゼン用の小型プロジェクタ。そして意外に重宝しているという『ScanSnap』だけだという。

さて、情報発信に必要なのはネタ探しだが、玉置校長はいつでもデジカメを持ち歩いて、気づいたときに写真を撮るように心がけている。 さらに、情報の保存の仕方もアナログとデジタルで使い分けている。基本的に袋に入れて保存する資料は学校外で見ることがないもの。 学校外でも使う可能性のある資料はデジタル化することに決めている(ノートパソコンに保存しておけば、外に持ち出せる)。 そして、そんな紙資料をデジタル化する時に活躍するのが『ScanSnap』である。

「きっかけは、知人からとても便利な製品があると薦められたこと。それにAdobeのAcrobatが同梱されていてこの価格というのが魅力で、すぐに購入しました。 使ってみたら、まず読み取りスピードが抜群に速いことに驚きました。 しかも、従来のスキャナとはちがい書類を連続して自動的に読み取ってくれるので、手間がかからないし、白紙は自動的に削除してくれる機能もうれしい。 私の認識ではスキャナというより、何かもう、別のカテゴリーの製品という感覚ですね」と笑う。

その言葉のとおり、『ScanSnap』は、最大・両面50枚までの紙文書をワンプッシュの簡単操作で一気に読み込み、PDF化してくれるスキャナ。 生成されたPDFファイルは、指定のフォルダ内に保存される。
また、『ScanSnap』は場所をとらないコンパクト設計も特長のひとつ。 玉置校長もいつでも使いたいとき使えるように机の側に設置しているが、驚いたことに、使っているのはかなり初期の機種だ。話を聞くと、購入したのは2003年だという。 現在の新モデル『S500』では、デザインも一新され、機能も格段に向上している。

導入結果とメリット

学校評価アンケートの集計に活用

玉置校長のような管理職になると、1日で得る情報はかなりの量になる。そうした情報を生かすも殺すも、その整理にかかっているといっても過言ではない。 すなわち、情報を生かす整理術を身につけることが必要なのだ。
「『ScanSnap』で資料をデジタル化すれば、無駄なプリント費用をかけずに情報を共有できます。それにデジタル化すると、資料の検索・保管が容易になるのが良いですね」と校長。
また玉置校長は、日頃から「メモはA4用紙、メモには情報共有したい人の名前を書いておく」などの決まりをつくり、メモを取ることを心がけている。 アナログとデジタルそれぞれの長所を踏まえた上で、効率的な使い方を選択しているのだ。

ここで、玉置校長は膨大な紙資料の束を取り出した。
「これは保護者に回答してもらった学校評価アンケートです。ご覧のようにびっくりするほどの量になりますが、これらを、私1人で『ScanSnap』を使って読み取りました」。

現在、全国の学校では、保護者や地域に信頼される学校づくりに向けて、「学校評価(自己点検・評価)」の実施と結果の公表が努力義務化されている。
これは、学校の多様化に伴い、それぞれの学校がどんな方法で教育を行い、どんな結果になったかということを情報として保護者や教育委員会など関係者に提供する必要が強くなったからだ。 しかし、こうした調査を実施するには、膨大なアンケート資料を集計しなければならないので、その負担が課題となっている。

こうした中、慶応義塾大学が開発した学校評価システム支援ツール『SQS』が全国の教育委員会や学校で採用されはじめており、玉置校長はその回答データを読み取る作業に『ScanSnap』を利用したのだという。
「もしも『ScanSnap』がなかったら、それこそ何日もかけてデータ集計に追われることになったでしょう」。
まさに、膨大な資料をスピーディーにデジタル化できる『ScanSnap』だから可能な取り組みだ。

市内すべての小・中学校にスキャンスナップを導入

一方、小牧市では昨年度、市内の全小・中学校に1台ずつ『ScanSnap』を導入した。これは市内の学校の情報環境整備にも関わる玉置校長の薦めによるところが大きい。 それだけ『ScanSnap』が校務の電子化に便利と認めている証拠だろう。
そこで、職員室に設置してある『ScanSnap』を見せてもらった。ちょうど1人の先生が案内状を読み取っている最中で、日常的に活用されている様子が垣間見えた。
玉置校長によれば、「使いたい先生が使えばよいというスタンスで、特に決まりごとも作っていない」とのことだが、こうした校務文書を電子化する以外に、美術や数学などの教材づくりにも使われているとのことだ。


これまで学校という職場は、子どもたちのためにより良い教育をしよう、そのためには「どんな教育をするべきか?」、「何が足りないか?」という努力を繰り返してきた。 けれど、教師の職場環境を改善しようとする動きは置き去りにされてきた印象がある。
企業がオフィス環境を整備して「生産性」を向上させてきたように、そろそろ学校も、ITを活用することで「教育サービス」の向上を図っていく必要があるだろう。 そのためには教師一人ひとりがもっとデジタルと親しくなり、楽しく効率的な仕事をする術を身につけることを期待したい。

- 「日本教育新聞」 2006年5月29日より -