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導入のきっかけ |
利用環境と利用法 |
導入結果とメリット
授業や学校事務に関わる紙文書を手軽に電子化することで、保管コストやコピー費などを削減できるADF(オートドキュメントフィーダ)方式のコンパクト両面カラースキャナ『ScanSnap』に、さらに機能を充実した『S500』シリーズが登場した。そこで今回、『S500』シリーズを導入した奥州市立水沢小学校の授業での活用を紹介する。

【お名前】
佐藤 正寿 様(教論)
【学校名】
岩手県奥州市立水沢小学校
【学校紹介】
水沢小学校(吉田 政校長/児童数864人)のある奥州市は、岩手県南内陸部に位置し、市域中央を北上川が悠々と流れる景観豊かな環境のもと、今年2月に周辺5市町村が合併して誕生したばかり。その中にあって同校は、「勤勉・同情・誠実」を校訓に、県下一古い「校歌」を歌い継ぐなど伝統ある校風を継承している。
現在、学校現場の多くは<わかる>授業の実現に向けて、プロジェクター等で映像を見せる授業を日常化させようと努力している。
今回、話を伺った佐藤教諭も3年前から、そうした授業スタイルを取り入れている。その理由は、授業効果が上がるのを実感したからと明快だ。「ふだんの授業のほとんどは教科書が中心になります。
ですから、今いちばん必要なIT活用は教科書やノートを拡大してわかりやすく見せることだと思います。子どもたちを集中させることで、自然と理解度も高まりますね」と分析する。
では、こうしたふだんの授業のなかで『ScanSnap』を活用する場面はあるのだろうか--。
「『ScanSnap』の評判は他の先生から聞いていました。実際に導入してまだ1週間くらいですが、使用してみて感じたのは操作がとっても簡単なこと。
何しろ、紙文書をトレイに差し込んでワンプッシュするだけでPDFになりますから、これなら子どもたちでも操作できるでしょう」と佐藤教諭。
さらに嬉しいことに、今日の授業で子どもたちに使わせてみるという。
さっそく5年1組の国語科/「物語を作ろう」の授業を参観する。
教室のレイアウトは先ほど話しに出たとおり、教壇の上にノートパソコンが置かれ、それぞれ『ScanSnap』とプロジェクターに接続してある。
「それでは今からワークシートを配ります。好きな写真をひとつ選んで、イメージマップを作ってください」と佐藤教諭。
教科書の写真をもとに、ワークシートにイメージマップを作る
授業は教科書に載っている野原、桜、子ども、ネコ、サルなどのさまざまな写真から連想した物語を作るのがテーマ。
だが、いきなり物語を書きだすのではなく、まず自分が物語にしたいと思う写真を選択し、そこから連想するイメージマップを作ることが今日の課題だ。
たとえば「野原」の写真を選んだら、それを中心に「春」「そよ風」「たんぽぽ」など頭に浮かんだイメージを書き加えていく。
「それではイメージマップが書けた人から、前に持ってきてください」と佐藤教諭は子どもたちに声をかける。
つまり、ここからが『ScanSnap』の出番で、子どもたちが書いたイメージマップを手早くデータ化することが今日のミッションだ。
いちばん最初にできた児童が恐る恐るトレイに自分のワークシートを乗せて、スキャンボタンを押す。
児童はこの時点では何のことだか分からないようだ。佐藤教諭は少しにんまりしながら、ノートパソコンに読み取ったPDFファイルをプロジェクターでスクリーンに投映した。
「うおぉっ~」と教室に歓声が上がる。「この『ScanSnap』は、紙文書をこんなに簡単に電子ファイルにしてくれるんだ」と佐藤教諭。
「すごい!」と子どもたち。そうなると我先にと自分のワークシートをトレイに乗せてスキャニングしていく。
しかも『ScanSnap』ならではのスピードで、40名弱いる子どもたちのワークシートも5分も経たずにすべて読み取ってしまった。
自分の手でワークシートをスキャニングする児童、なにやら興味深げだ
佐藤教諭によれば、ここでのポイントは短時間ですべての児童の作品を読み取れるので、授業の流れを削がないことだ。
それにスキャンするだけで多くの時間を割いていたら、子どもたちの意欲も半減してしまうと指摘する。
また、読み取ったワークシートをすぐに児童に返してあげられる利点も大きいという。こうしたケースでは書画カメラを使って映すことも可能。
しかし、それだと一度すべてのワークシートを教師の手に預けることになるので、児童が自分の作品と見比べることができないからだ。
すべてを読み取った後、子どもたちの作品を次々とスクリーンに映していく。
こうして作品を眺めていると、同じ写真から連想したものでも、実にいろいろなイメージが湧き出ていることがよく分かって楽しい。
もちろん、書き込みが多い子少ない子の差はあるが、たとえば「野原」から「どこまでも続く空」に飛躍するユニークな連想もあり、そのつど教室は笑いに包まれる。
「友だちの作品を見ることで、物語の新たなヒントを得たり、自分の発想が広がるきっかけになればと思います」と、佐藤教諭は本時のねらいを話してくれた。

読み取ったワークシートはその場で児童に返す

『ScanSnap』で取り込んだイメージマップを投影
授業の後、あらためて『ScanSnap』の率直な印象を聞いた。
「先ほどの授業を見ても分かるとおり、何より読み取りスピードが抜群に速いこと。
それに今までスキャナというと一枚ずつしか読み取れないので面倒という印象がありましたから、紙文書を束のまま一気にスキャンできるのは画期的ですね」と評価。
また、授業で活用する以外の使い方についても「総合的な学習のプリントなども個人ごとのファイルを作っておけば、一人ひとりの児童がどう成長してきたかを振り返れるメリットがあります。
また評価を点ける際も、学習過程を辿れるので大変便利です」と佐藤教諭。
さらに、『ScanSnap』は校務の省力化にも最適だという。
同校では校内LANが整備されていないので、1ヵ月に配布される回覧文書が50~60枚にもなる。これも『ScanSnap』があれば保管スペースもいらず、余計なコピー代の節約にもなると指摘する。
加えて、自身の教材開発など仕事術にも役立てていく意向だ。
「これまでは使えそうな記事を切り抜いたものは袋に入れて保管していました。これもパソコンに保存しておけばいつでも取り出せるのがデータ化のメリットですね」。
新モデルでは色文字や白ヌキ文字も認識する「カラー文字認識技術」搭載による高精度な全文検索を可能にしているため、目的の記事を簡単に探し出すことができる。
佐藤教諭の話を聞いていると、『ScanSnap』を導入して日が浅いことを忘れてしまうほど次々とアイデアが溢れてくる。
それは今までやりたくてもできなかったことが実現できる愉しみがあるからに他ならない。
「できることが増えるということは、可能性が広がるということ。そして、それが良い授業を行う糧になるのです」。最後に佐藤教諭はそう締めくくってくれた。
- 「学習情報研究」 2006年3月号より -