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fi-5110EOX3 事例 2

[下記リンク]  導入のきっかけ |  利用環境と利用法 |  導入結果とメリット 

「ScanSnap」を単なるドキュメントスキャナと侮ってはならない。ScanSnapはペーパーレス化や省スペース化だけでなく、生産性向上やセキュリティ強化をも実現するツールでもあるのだ。気鋭の通信・ITSジャーナリストで企業の客員研究員でもある神尾寿氏に、その本質を語ってもらった。

私は如何にして"収納"するのを止めて"捨てる"技術を身につけたか
~ 捨て下手な私が「捨てられる自由」を手に入れた ~

【お名前】
神尾 寿 様

【業種】
通信・ITSジャーナリスト


「捨て上手」vs「捨て下手」

妻は「捨て上手」である。とりあえず使わないもの、いらないと思われるものは、ためらうことなくゴミ袋に放り込む。気が付けば、私が読み終わっていない雑誌すら捨てられている(読みたかったのに!!)。 かくて我が家は、子ども2人のいる家庭にしては驚くほど、すっきりと片づいている。収納スペースもけっこう余っている。収納スペースを使い切るほど、モノがたまらないのだ。
私は元来「捨て下手」だ。根が臆病者なのである。 『これは後々、必要になるかもしれない。使うかもしれない』 そんな考えが頭をよぎり、ゴミ袋に突っ込む直前にビクビクしてしまう。仕事で使う資料や書籍はもちろん、本や音楽CDも貯まっていく一方だ。仕事柄ということもあるけれど、情報を収集し、手元に置いておかないと不安なのだ。しかも収納技術は持ち合わせず、ずぼらな性格が整理整頓を拒絶する。
そういえば引っ越しのとき、妻の私物は段ボール2箱。筆者の私物は段ボール20箱を超えていたっけ…。

導入のきっかけ

ScanSnapが実現する「捨てられる自由」

捨てる技術に「デジタル」の概念を持ち込んだのも、実は妻の方が先である。彼女は子どもの服やおもちゃなど、"思い出の品"もあっさりと捨てる。 しかし捨てる前に、それらをデジカメで撮影し、モノから"思い出"という情報だけを切り出し、PCに保存することを始めたのだ。
『そうか、デジタルに逃げればよかったのか』 物理的な「パッケージ」ではなく、中にある「情報」だけが必要で、捨てられないものは多々ある。筆者が溜め込んでいた書類や本、CDはその筆頭だ。 必要なのは中身である。大容量HDDやDVD-Rが格安で手には入る今、旧来的なパッケージはスペース効率が悪いだけだ。
こうして私は、あふれるモノたちのデジタライズを始めた。最初は音楽CDから。アップルコンピュータの「iTunes」を使い、ビットレート192Kbps以上の高音質モードで音楽CDをリッピング。クラシックやジャズはCDクオリティのまま変換できる可逆圧縮のアップル・ロスレス・エンコーダー方式を使用した。 約40Gバイトのハードディスク容量と引き替えに、200枚以上あった音楽CDを捨てる自由を手に入れた。

しかし、問題になったのは、紙の資料である。
私は専業ジャーナリストであり、企業の客員研究員として各種調査・コンサルティング業務にも携わっている。どちらも「情報」を扱う職種であり、1日数10枚~100枚の単位で資料が増えていく。これらを簡単にデジタル化する方法はないものか。 フラットベッドスキャナや業務用デジタル複合機の中には、自動原稿送り装置(ADF)を使って、複数枚の紙資料を一括スキャンする機器がある。しかし、これらは大型で高額、しかも画像ファイルとして取り込まれるので、後々の管理が面倒そうだ。検討に行き詰まったときに、ある雑誌の編集長に紹介されたのが、PFUの「ScanSnap」だった。

利用環境と利用法

神尾寿氏の書斎の作業環境
「ScanSnap」は「Let'snote LIGHT W2」に接続され、取り込んだPDFドキュメントは無線LAN経由で「iMac G5」からも参照できる。

ScanSnapは「紙文書のデジタル化」をするための専用ドキュメントスキャナであり、セットした複数枚の資料をワンプッシュでPDF化してくれる。
本体はコンパクト。SOHOはもちろん、パーソナルユースでも邪魔にならない大きさだ。直販サイトのPFUダイレクトで4万9800円という価格は、企業・SOHOでの導入はもちろん、個人が生産性向上のために"自己投資"するのに、高すぎる額ではないだろう。
導入してまず感心したのが、利用の気軽さ。ボタン1発でPDF化される簡単さと、1分15枚の高速スキャン性能により、書類のデジタライズが負担を感じずに行える。私の場合、「紙を捨てること」を前提にしているため、ファインモードを標準使用にしているが、それでも十分に速い。 最近では、紙資料は持ち帰ったらすぐにScanSnapでスキャンするようにしている。その後、原本はシュレッダで廃棄する。ScanSnapによるPDF化環境により、臆病で捨て下手な私が「捨てられる自由」を手に入れたのだ。

導入結果とメリット

PDF化で手に入るポータビリティ

PDF化によって、紙という物理的なパッケージを脱ぎ捨てたドキュメントは、多くのメリットを提供してくれる。その筆頭が可搬性(ポータビリティ)の向上だ。
私は現在、アップルコンピュータ製のデスクトップPC「iMac G5」とパナソニックブランドのモバイルノートPC「Let'snote LIGHT W2」を併用しているが、原稿や各種資料など仕事で使うデータはすべて、ノートPC側のハードディスクに保存している。もちろん、ScanSnapでPDF化したドキュメントも、ノートPCに保存している。 書斎で仕事をするときはデスクトップPCからノートPC内のデータにアクセスし、外出時はノートPCを常に携行している。たった1.3キロほどのノートPCに、私が所有するドキュメントのすべてが入っているのだ。これが紙だったら、持ち歩けるのはA4用紙で数百ページ分がいいところだろう。

これらの膨大なドキュメントは「ScanSnap Organizer」によって整理されており、簡単なフォルダ分けをしておけば一覧性や検索性も高い。取材前のちょっとした空き時間、会議や打ち合わせの途中にパッと過去の資料をチェックすることができる。ScanSnap+モバイルノートPC環境は、私の仕事をサポートする強力な"外部記憶装置"になっている。
なお、ScanSnapの新モデル「fi-5110EOX3」では、ScanSnap Organizerがバージョンアップされ、OCR処理により全文検索可能な透明テキスト付きPDFファイルに変換する機能が搭載された。ノートPCを持ち歩いていれば、最終的には"PDFを確認"すればいいので、OCRの認識率が100%である必要はない。検索性を向上させる"手段"として役立つだろう。

「ScanSnap Organizer」では、スキャンしたPDFファイルはサムネイル表示でわかりやすく整理できる。フォルダ分けをしっかりすれば、紙の書類を棚で管理するよりも整理しやすい。
書類をPDF化することで、送受信の手間やコストを抑えられるというメリットもある。筆者は海外在住のジャーナリストやアナリストと情報交換・共有をしているが、以前は紙の資料はFaxや国際郵便で送っていた。しかし、ScanSnap導入後は書類をPDF化しているので、暗号化した上でメール添付で送っている。
また、細かなことだが、PDFはWindowsだけでなく、MacintoshやUNIXなどクロスプラットフォームでシームレスに扱える点も重要だ。提携するジャーナリストの中にはMacintoshしか持たない人もいるが、PDFならば何の気兼ねもなくやりとりできる。筆者自身、書斎のメインマシンはiMac G5だが、PDF化した資料ならば、こちらから見ることもできる。
PDFは最近、携帯電話での対応も進んでおり、汎用性が高まっている。デジタル化では、その仕様が今後もサポートされるかという「フォーマットの将来性」が重要だが、ここまで汎用化したPDFならば、一朝一夕に主流の座が失われることはないと思う。

デジタル化はセキュリティ面でも有効

一方、デジタル化による一元管理やノートPCでの持ち運びについて、消失や紛失、盗難といったセキュリティ上の不安を感じる読者もいるだろう。しかし、私の経験でいえば、紙のまま資料を持つよりもデジタル化してしまった方が、ドキュメントの安全性は確実に向上する。
まず消失や紛失というトラブルであるが、デジタル化したドキュメントは「コピー」や「サーチ(検索)」が容易だ。例えば私の環境では、PDF化した資料を含めた全データを、デスクトップPCと外部ハードディスクに毎日バックアップしている。さらに定期的にDVD+RWにもバックアップし、小型貸金庫サービスに預けている。 これが紙資料のままだったら、コピーの作成に時間がかかり、保管スペースも2倍は必要になる。必要スペースの問題で、全資料を貸金庫に預けることも難しいだろう。
盗難に関しては、ノートPCが備えるBIOSレベルの起動パスワード/HDDロック機能を使うほか、機密扱いの重要資料はすべてPDFファイル単位で暗号化している。 ScanSnapに標準添付されている「Adobe Acrobat 7.0 Standard日本語版」には、多機能で細かな設定が可能な文書保護/暗号化機能が用意されている。ScanSnapをコントロールする常駐ソフト「ScanSnap Manager」には、このAcobatのパスワードロックを任意のパスワードで自動的に行う機能があり、これを有効にしておけば、毎回パスワード設定する必要はなくなる。


「ScanSnap Manager」のPDFフォーマットオプション。ここで固定パスワードを設定すれば、スキャンしたときに自動的にパスワードロックが施される。ビジネス利用ならば、部内で共通パスワードを設定しておき、重要書類にはさらに個別パスワード設定するといった運用がいいだろう。


パスワードロックはAdobe Acrobat 7.0側からも設定できる。設定できる項目が多いため、細かなセキュリティ設定を行う場合は、ファイルごとにAcrobat側から設定した方がいいだろう。
これらのセキュリティ機能を使えば、紙の資料をそのまま持つよりも、はるかに安全な文書管理が可能になるだろう。

もうひとつの魅力。「名刺ファイリングOCR」

ScanSnapには、ドキュメントスキャン以外に、もうひとつ便利な機能がある。それが名刺スキャンだ。
名刺スキャナに関しては多くの製品が出回っているが、ScanSnapの強みは最初からシートフィーダ機能が備わっていること。名刺でも複数枚の一括スキャンが可能になっている。

「名刺ファイリングOCR」で名刺をスキャンした直後。名刺のデザインにもよるが、修正作業前でも認識率はかなり高い。筆者は他の市販名刺OCRキットもこれまで試したが、その中でもトップクラスの認識精度を持つ。特に電話番号やメールアドレスの認識はほぼ完璧なので、「名前」と「社名」の修正だけすれば、後の検索が楽になる。
私の場合、名刺スキャンをするのは週に1回。だいたい15~30枚程度なので、1回のスキャン作業で取り込みは終わる。ScanSnapに付属する「名刺ファイリングOCR」では、スキャンした名刺の自動OCRが行われる。 OCRの常で100%の認識率は望めないが、名刺イメージも一緒に管理されるため、「名前」と「会社名」だけを正しく修正しておけば、後々の検索で困ることはない。Excelと連携させて顧客名簿を作るなど、高度な使い方をするのでなければ、OCR認識は“寛容かつ適当”にやるのが、名刺のデジタル化を長続きさせるコツである。

名刺ファイリングOCRの検索機能。実用的なのは、会社名での「絞り込み」→「名前で検索」。絞り込み結果がサムネイル表示されるので、1社あたりの枚数が少なければ、社名による絞り込みだけで目的の名刺が見つかるだろう。

一度デジタル化してしまえば、紙の原本はシュレッダにかけられる。ノートPCならばデータごと持ち歩けるので、外出先でとっさに連絡が取りたいときにも便利だ。
ScanSnap+名刺ファイリングOCRは、デジタル化が容易で高速、手間がかからないのが魅力だ。「名刺OCRは手間がかかる」と敬遠していた人にも勧められる。名刺を扱うビジネスパーソン全般の強い味方になるだろう。

捨てられない・片づかない現場にScanSnapを

個人、そして会社の単位でも、扱う情報量は指数関数的に増えている。それに付随して、蓄積されるペーパーメディアも増加。個々人の性格を別にしても、「捨てられない・片づかない」現場は増えているだろう。
だが、スペース効率や、情報活用による生産性向上のためには、あらゆる書類はデジタル化した上で捨てた方がよい。ずぼらな私は収納するのを止めて、捨てるための手段としてScanSnapを導入したが、これは大正解であった。コスト削減だけでなく、生産性が向上したのだ。片づかない現場というのは、それだけムダが多かったということだろう。
ペーパーレス社会などという古くさい理想を持ち出す必要はない。もっと現実的な、「捨てる技術」の実践にScanSnapの活用を考えみてはどうだろうか。


- 「IT Media PCUPdate」 掲載記事広告より -